他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論
読んだ理由
- 何名もの知人が推奨していたため
- チーム編成の変更にともない、改めていろいろと知識を得ておきたいため
学んだことを3行で
- 人にはそれぞれの背景がある
- 対話をしてお互いの溝に橋をかける
- 「代わりに」ではなく、「加えて」というフレーズに変えて話す
メモ
- 知識として正しいことと、実践との間には大きな隔たりがある
- 既存の方法で解決できる問題のことを「技術的問題」(technical problem)
- 既存の方法で一方的に解決ができない複雑で困難な問題のことを「適応課題」(adaptive challenge)
- 見えない問題、向き合うのが難しい問題、技術で一方的に解決ができない問題である「適応課題」をいかに解くかが「対話」である
- 対話とは、「新しい関係性を構築すること」
- お互いにわかり合えていないことを認めることこそが対話にとって不可欠
- 人間同士の関係性を大きく2つに分類
- ひとつは「私とそれ」の関係性
- 「私とそれ」は人間でありながら、向き合う相手を自分の「道具」のようにとらえる関係性のこと
- もうひとつは「私とあなた」の関係性
- 「私とあなた」の関係とは、相手の存在が代わりが利かないものであり、もう少し平たく言うと、相手が私であったかもしれない、と思えるような関係のこと
- ナラティヴの溝を渡るための4つのプロセス
- 準備
- 自分のナラティブを脇において対話の準備をすることが大事
- 自分の解釈の枠組みを保留して、相手がなぜそのように主張しているのか、相手には相手なりに一理ある
- 観察
- 一度引いた目で周りを見渡すことで、わかりあえない人との間に大きな溝があるということに気づく
- 相手がどんな環境で生きているかを知る
- 相手のナラティブが把握できれば、相手にとって意味のあるものとして受け入れられるために必要なポイントが見える
- 解釈
- 溝にどのような橋をかけるかが解釈の段階
- 介入
- 実際に行動することで橋を築くのが介入
- ナラティブとは解釈の枠組み
- 視点の違いにとどまらず、その人たちが置かれている環境における一般常識
- ナラティブの溝があることを見つけて橋をかける
- 対話のプロセスを回し、縦のつながりを作り直して横のつながりを作ることが大切
- 縦のつながりを考える上で大切なのは上の立場の人が行っている仕事を共有すること
- 人が育つというのは、その人が携わる仕事において主人公になること
- 部下が仕事のナラティブで主人公になれるように助けるのが上司の役割
- 主体性を発揮してほしいというのはこちらのナラティブの中で都合よく能動的に動いてほしいと要求していることがほとんど
- 部下とのナラティブに溝をかけていく
- 対話は不要な対立を避けるための行動
- 敵を味方にすべく、準備-観察-解釈-介入のサイクルを回すこと
- 孤独を大切にするには、孤立してはいけない
- 行動があって信頼が芽生える
- ナラティブ・アプローチは、自分のナラティブの中しか見てなかったことに気づき、自らを改め、相手との間に関係性を構築すること
- 「代わりに」ではなく、「加えて」というフレーズに変える
- 「代わりに」だと、否定的
今後の活かし方
- 相手の状況を理解して対話を行う
- お互いが抱えている状況を理解し合いつつ、ナラティブを整理する(期待値をあわせる)